離婚時に夫婦間で話し合いが成立した内容を正式に記録するために、「離婚協議書」を作成することが重要です。口約束だけでは後々トラブルになる可能性が高く、金銭面や子どもの養育に関する取り決めを明確にしておくことで、安心して新しい生活をスタートできます。本記事では、離婚協議書の作成方法や注意点について詳しく解説します。
1. 離婚協議書とは?
離婚協議書とは、離婚に関する合意内容を記録した書類です。財産分与、養育費、慰謝料、親権、面会交流などを明確にし、後のトラブルを防ぐために作成されます。
① 離婚協議書を作成するメリット
- 夫婦間の合意内容を明確にできる
- 後々のトラブルを防げる
- 裁判での証拠として有効
② 離婚協議書の法的効力
離婚協議書自体には強制執行力はありませんが、公正証書にすることで、養育費や慰謝料の支払いが滞った場合に法的強制力を持たせることができます。
2. 離婚協議書に記載すべき内容
離婚協議書には、以下の内容を記載することが望ましいです。
① 基本情報
- 夫婦双方の氏名・住所
- 離婚日
- 離婚の合意が成立していることの明記
② 財産分与
- 不動産の分配方法
- 預貯金・株式・退職金の分与
- 負債の分配
③ 養育費
- 支払う側と受け取る側の明記
- 支払い金額、支払日、支払期間
- 未払いの場合の対応
④ 親権と面会交流
- 親権者の指定
- 子どもとの面会頻度と方法
⑤ 慰謝料
- 支払う金額、支払期限
- 支払い方法
⑥ その他の合意事項
- 氏の変更について
- 離婚後の生活に関する取り決め
3. 離婚協議書の作成手順
以下の手順で離婚協議書を作成します。
① 夫婦で話し合い、内容を決める
財産分与や養育費、親権など、双方が納得できる形で話し合いを行います。
② 離婚協議書を作成する
合意内容を基に離婚協議書を作成します。以下の形式を守ることが望ましいです。
- 文書はA4用紙に記載
- 手書き・パソコンどちらでも可
- 署名と押印(実印推奨)
③ 公正証書にする(推奨)
離婚協議書を公証役場で公正証書にすると、法的効力が強まります。
④ 夫婦双方で保管
作成した離婚協議書は、夫婦それぞれが1部ずつ保管し、証拠として残しておきます。
4. 離婚協議書作成時の注意点
① 口約束だけにしない
「信頼しているから大丈夫」と思っても、文書に残さないと後から主張が変わる可能性があります。必ず書面で残しましょう。
② 曖昧な表現を避ける
「養育費はできる範囲で支払う」などの曖昧な表現は避け、具体的な金額や支払い方法を明記しましょう。
③ 証拠としての効力を高める
弁護士や行政書士に相談し、適切な文書作成を行うことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
まとめ
離婚協議書は、離婚後のトラブルを防ぐために非常に重要な書類です。財産分与や養育費、親権、慰謝料などを明確に記載し、公正証書にすることで法的な効力を強めることができます。慎重に作成し、安心して新しい生活をスタートさせましょう。