離婚後、子どもの成長を支えるために重要なのが養育費です。しかし、「いくらもらえるのか?」「どうやって決めるのか?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。
本記事では、養育費の相場や計算方法、公正証書の作成方法、未払い対策について詳しく解説します。
1. 養育費とは?
養育費とは、離婚後に子どもを育てるために支払われる費用のことです。具体的には、以下のような費用が含まれます。
- 衣食住の基本的な生活費
- 教育費(学費・教材費など)
- 医療費(通院・入院など)
- 習い事やレジャー費
養育費は親の義務であり、支払いを拒否することはできません。
2. 養育費の相場はどれくらい?
養育費の金額は、父母の収入によって決まります。日本では、裁判所が公表している養育費算定表が基準となります。
① 養育費の相場(2025年最新)
以下は、父親(支払う側)と母親(受け取る側)の年収別の養育費の相場です。(子ども1人の場合)
父親の年収(万円) | 母親の年収(万円) | 養育費の相場(万円/月) |
---|---|---|
400 | 100 | 4~6 |
600 | 200 | 6~8 |
800 | 300 | 8~10 |
1000 | 400 | 10~12 |
※あくまで目安であり、個別の状況によって異なります。
② 養育費の支払い期間
- 原則、子どもが20歳になるまで支払う
- 大学進学の場合、22歳まで支払いを求めることも可能
3. 養育費の計算方法
養育費の計算には、裁判所の養育費算定表を用います。算定表は、以下の要素を基に計算されます。
- 支払う側・受け取る側の年収
- 子どもの人数
- 子どもの年齢
① 計算例
例えば、
- 父親の年収:500万円
- 母親の年収:200万円
- 子ども:1人(10歳)
この場合、算定表に基づくと5~7万円/月が相場となります。
② 養育費の増額・減額
以下のような事情がある場合、養育費の増額・減額が可能です。
- 支払う側の収入が大幅に増えた(昇給・昇進など)
- 受け取る側の収入が減少した(失業など)
- 子どもの教育費が増えた(私立進学など)
4. 養育費の決め方と取り決めの方法
① 口約束ではなく、公正証書にする
養育費の支払いを確実にするためには、公正証書を作成するのがベストです。
公正証書を作成すると、養育費が未払いになった場合でも裁判を経ずに強制執行できます。
② 養育費の取り決め方法
養育費の決め方には、以下の3つの方法があります。
- 協議離婚:夫婦間の話し合いで決定
- 調停離婚:家庭裁判所の調停で決定
- 裁判離婚:裁判所の判決で決定
5. 養育費の未払い対策
養育費は、約半数が未払いになるというデータもあります。支払いを確実にするための対策を講じることが重要です。
① 公正証書・調停調書を作成する
- 公正証書があれば、未払い時に給与差押えが可能
- 裁判所の調停調書も同様の効力を持つ
② 給与天引きにする
養育費を相手の給与から天引きする方法もあります。
- 家庭裁判所で養育費の直接支払い命令を申し立てる
③ 養育費保証サービスを利用する
民間の「養育費保証サービス」を利用すると、未払い時に代わりに支払ってもらうことも可能です。
まとめ
養育費は、子どもが健全に成長するために欠かせない費用です。
適正金額を決める際には、以下のポイントを押さえましょう。
- 養育費の相場は4~10万円/月(収入に応じる)
- 裁判所の養育費算定表を活用する
- 公正証書を作成し、未払い対策を講じる
養育費を適正に決め、確実に受け取るために、専門家(弁護士・司法書士)への相談も検討しましょう。