離婚時にDV被害が深刻化しやすい理由
離婚を考え始めた段階や、実際に話し合いが進み始めた段階で、DV(家庭内暴力)が激化するケースは少なくありません。関係が終わることへの不安や支配関係の崩れが、暴力や脅しという形で表面化するためです。
身体的な暴力だけでなく、暴言、脅迫、監視、経済的な締め付けなどもDVに含まれます。被害を受けている本人が「大したことではない」と感じていても、状況は深刻であることが多く、早期の対応が不可欠です。
最優先すべきは身の安全の確保
離婚手続きよりも前に、最優先で考えるべきなのは自分と子どもの安全です。危険を感じた場合、「話し合いで解決しよう」「我慢すれば収まる」と考えることは非常に危険です。
暴力の兆候がある場合は、逃げる準備や相談先の確保を含め、段階的に安全を確保する行動が必要になります。
警察を活用する場面とポイント
命や身体に危険が及ぶ可能性がある場合、警察への相談や通報はためらうべきではありません。
- 緊急性が高い場合は110番通報を行う
- 被害が継続している場合は警察署で相談記録を残す
- 暴力や脅迫の証拠を提示する
警察に相談することで、注意や警告、被害届の受理、状況によっては加害者への指導が行われることがあります。すぐに事件化しなくても、相談履歴が残ること自体が、後の手続きで重要な意味を持つ場合があります。
DV被害における弁護士の役割
DVが関係する離婚では、弁護士の関与が安全面でも大きな助けになります。弁護士は、単なる離婚条件の交渉役ではなく、直接相手と接触せずに手続きを進めるための盾として機能します。
弁護士に依頼することで、以下のような対応が可能になります。
- 相手との直接交渉を避けられる
- 接近禁止命令などの法的手段を検討できる
- 調停や裁判を安全に進められる
費用面が不安な場合でも、初回相談や制度利用の案内を受けられることがあります。
支援機関を活用する重要性
DV被害では、警察や弁護士だけでなく、専門の支援機関の存在が非常に重要です。支援機関は、法的手続きだけでなく、生活や心のケアまで含めた支援を行っています。
具体的には、次のような支援が受けられる場合があります。
- 安全な避難先の確保
- 生活再建に向けた相談
- 精神的なサポート
- 各機関との連携支援
一人で全てを抱え込まず、複数の支援先をつなげて活用することが、長期的な安全につながります。
証拠を残すことの重要性
DV被害では、証拠の有無が後の対応を大きく左右します。可能な範囲で、次のような記録を残しておくことが有効です。
- 暴言や脅迫の内容をメモする
- メールやメッセージを保存する
- 写真や診断書を保管する
無理に集める必要はありませんが、危険のない範囲で記録を残しておくことで、警察や弁護士、支援機関に状況を正確に伝えやすくなります。
離婚手続きを進める際の注意点
DVがある場合、通常の離婚協議と同じ進め方は適していません。相手の反応を予測し、刺激しない形で手続きを進める配慮が必要です。
- 離婚の意思を伝えるタイミングに注意する
- 第三者を介して連絡を取る
- 居場所や予定を安易に伝えない
安全確保と手続きは同時進行で考える必要があります。
精神的な負担を軽視しない
DV被害は、身体的な被害だけでなく、長期的な精神的影響を残すことがあります。不安や恐怖、自己否定感を抱えるのは自然な反応であり、弱さではありません。
支援機関や専門家を頼ることは、自立への第一歩です。誰かに頼ること自体が、状況を改善する行動になります。
まとめ
離婚時のDV被害では、話し合いによる解決を優先することが、かえって危険を高める場合があります。警察、弁護士、支援機関を適切に活用し、自分と子どもの安全を最優先に行動することが重要です。
一人で抱え込まず、複数の支援先を組み合わせながら進めることで、離婚とその後の生活をより安全で安定したものにすることができます。あなたの安全と尊厳は、何よりも守られるべきものです。
